ファクタリングで資金を今受け取れると目先のこと考えてしまうと、ファクタリング業者に印象を悪く思われたくないと思ってしまいます。
契約書は字が小さく難しい言葉が並んでいて聞くのも面倒くさい、どうせ理解できないとも考えがちです。
でも、どのような契約を結んだのか知らずに印鑑を押すのは非常にリスクが高いので絶対にやめましょう。
最悪の場合は会社の信用が低下したり、資金繰りがさらに悪化することになります。
わからない言葉があれば言葉の意味を確認する。
言い回しでどちらにでも取れるような書き方であればどちらの意味なのか確認する。
・手数料率・手数料額の費用の金額を確認する。
・決済日や受取金額を確認する。
・買取対象の売掛金債権がどれなのか確認する。
・複数売掛債権がある場合はそれぞれいくらか確認する。
・万一、売掛金が決済されないときはどうなるのか確認する。
・全ての契約書類の控えが渡されるか確認する。
どんなに小さな疑問でも確認せずに契約してしまうと、トラブルになってから弁護士に相談しても勝ち目はありません。
さらに悪質なことに、ファクタリング会社の中には契約書類の控えを渡さないところもあると聞いています。
これでは一方的に不利な契約を結ばれても後からどうしようもありません。
契約書の内容は必ず説明を受け納得し、全ての契約書類の控えをもらうようにしましょう。
銀行やノンバンクとの取引の場合、その店舗に行きます。
2回目以降の取引の場合は金融機関の担当者が来る場合もあるでしょう。
ファクタリングの広告宣伝を見ると、郵送だけでOKとか、出張可とかが多いようです。
ファクタリングの取引を行う場合は、特に初めての場合は、融資と同じように、ファクタリング会社に出向いて行ってほしいと思います。
特に郵送だけとかは、安心して継続的に利用できるようになってから行いたいものです。
ファクタリングの契約は対面での契約が原則と考えてください。
地方の方とか時間がないとか、郵送での契約を希望されるケースもありますが、大切な売掛金の資金調達の契約を一度も会わずに行うことをリスクだと考えるべきだと思います。
少なくとも最初は、本当に信頼できるファクタリング会社かどうかを確認するために、ファクタリング会社のオフィスで契約することをお勧めします。
その時にファクタリング会社がオフィスに来社されるのを嫌がったりしたら何でだろうと考えてください。
ワンルームマンションの一室やレンタルオフィスを使っているような場合は警戒すべきです。
オフィスの周りの環境もみるといいでしょう。
まじめな会社はお客さんが来やすいように、オフィスの周りの環境も考えます。
来店したときに、受付や従業員の接客マナー、接客スペースの衛生面などもチェックポイントです。
契約を対面で行うのは、ファクタリング会社と顧客の双方にメリットがあります。
ファクタリング会社のほとんどが東京や大都市圏にあるので、地方の方はなかなか足を運びずらいでしょう。
ファクタリング会社側も、初めての取引先、とくに中小零細企業は企業自体の信用力が低いこともあって、経営者と会いたいと思うものです。
申込時にファクタリング会社が来て、契約時にファクタリング会社を訪問して契約するとか、その逆とか、ある程度余裕・ゆとりを持って契約したいものです。
ファクタリング会社はファクタリング契約実行時に債権譲渡登記を行うケースがあります。
債権譲渡登記制度の場合、売掛先に通知や承諾が必要なわけではないので知られることはありません。
2社間ファクタリングの場合、債権を譲渡したことは、利用会社とファクタリング会社の当事者しか知りません。
債権譲渡登記制度は債権譲渡の第三者対抗要件を具備することが目的で、もしも、第三者がファクタリングで譲渡した売掛金を差し押さえたり、うっかり他人に二重に譲渡したりするトラブルに対処するものです。
債権譲渡登記制度が利用できるのは法人間の取引のみで、債権の他に動産の譲渡についても登記することができます。
この仕組みによってファクタリングや債権担保融資が幅広く活用されることとなりました。
2社間ファクタリングの場合、契約上は売掛金の債権譲渡が行われていても、売掛金の入金は利用会社にされるので、トラブルやリスクを回避するために債権譲渡登記をファクタリング会社は利用しています。
3社間ファクタリング契約の場合は債権譲渡登記は通常行いません。3社間ファクタリングの場合は売掛先も当事者になり売掛先からファクタリング会社に入金があるからで。
ですから3社間ファクタリングなのに、債権譲渡登記を行うと言われた場合は理由を確認するようにしてください。
銀行などの金融機関に融資を申し込むと審査時点で債権譲渡登記を確認する場合があります。
ファクタリング会社を利用した取引がある場合は説明を行い、2社間ファクタリングにともなう債権譲渡登記がある場合はその売掛金の中見の説明が必要な場合があります。
銀行から問い合わせがあっても契約書類の控えを提出すれば問題になることはありません。
ファクタリング会社を利用しているから銀行の融資が受けられなくなるわけではありませんが、真摯な説明は必要でしょう。
また、ファクタリングの決済が終わった債権譲渡登記は抹消するようにしましょう。
ファクタリング会社の中には、利用者の主要な売掛先との間で将来発生する売掛金債権を登記しているケースがあります。
この債権譲渡登記制度は、既に発生している債権(既発生債権)と、これから発生するであろう債権(将来債権)のどちらも可能です。
特定の将来発生する債権を登記するのは一般的には債権担保融資の手法ですから、銀行が確認した時にこのような登記をしていると融資だと受け取られてしまう可能性があり、銀行審査に影響を及ぼす可能性があるとの指摘もあります。
ファクタリング会社を選ぶにあたって当面は、既発生の売掛債権を個別に指定した債権譲渡登記制度を利用するファクタリング会社を選ぶことをお勧めします。
2者間ファクタリング契約の場合は、譲渡された売掛金の支払いについて、売掛先は通常通りファクタリング利用会社へ支払いがされます。
ファクタリング契約上は、譲渡した売掛金を受け取る権利はありません。
そこで、譲渡した売掛金を集金して、ファクタリング会社へ送金する業務を委託する契約をファクタリング会社との間で結びます。
これが、ファクタリング会社と締結する業務委託契約です。
業務委託契約は、債権の買い主(ファクタリング会社)が売り主(利用会社)に対して売買対象債権(売掛金)にかかる請求、回収などを無償で委託するという契約であり、売り主は当該債権を回収後にすみやかに債権の買い主に支払わなければならないという約定です。
この業務委託契約で集金した売掛金をファクタリング会社に送金しない場合は、ファクタリング会社から損害賠償を求められるほか、場合によっては詐欺や業務上横領などの罪に問われることがあります。
詐欺的なファクタリング会社の問題の指摘もありますが、詐欺的なファクタリング利用者の問題も同様に指摘があるのです。
3社間ファクタリング契約のときは売掛先が直接ファクタリング会社に支払うので業務委託契約は不要です。
ファクタリングは売掛金がすぐに資金化できて便利ですが、ファクタリング利用時には翌月以降の資金繰りに問題がないかよく確認してください。
売掛先が大手企業などの場合、契約内容に「債権譲渡を禁止する特約」が設けられていることが少なくありません。
債権譲渡を禁止する特約があると、3社間ファクタリングは利用できません。
売掛先に、売掛債権を売却する通知や、承諾を求めると、そもそも契約違反となってしまい、取引を打ち切られてしまう可能性も出てしまいます。
2社間ファクタリングであれば、売掛先に知られずに、資金化が可能ですが、取扱いには注意が必要です。
ファクタリング会社が特約の存在を知りながら売掛金買取を行うと、最悪の場合「譲渡無効」とみなされ多大な損失を被るリスクがあります
債権譲渡禁止特約を付けた取引を行う慣例は、譲渡がされた場合「支払先が変わり実務が煩雑になる」「そもそも譲渡先の信頼性、債権譲渡の信憑性確認ができない」「相手が反社会的勢力の場合コンプライアンスに影響する」などの要因があります。
銀行系のファクタリング会社は通常、3社間ファクタリングのみを行っています。
取引先に知らせずに、ファクタリングを行いたいという方には、銀行系ファクタリング会社を利用するのは難しいのが現状です。
2017年5月に120年ぶりとなる民法の大幅改正が行われ、2020年4月1日から施行されます。
民法466条(債権の譲渡性)の改正により、債権譲渡禁止特約の扱いについて、変更があります。
⇒民法466条(債権の譲渡性)の改正とファクタリング こちら