経済産業省中小企業庁では、中小企業者が不動産担保に過度に依存せずに資金調達ができるよう、売掛債権担保融資保証制度を創設し、普及を進めています。
売掛債権担保融資保証制度(売債)は、中小企業の資金調達の円滑化・多様化を図るために平成13年に創設された制度です。
中小企業が保有している売掛債権を担保として、金融機関から資金を受ける際に、信用保証協会が保証を行います。
申込窓口は各金融機関です。
担保となる売掛債権は
・国内の事業者(官公庁を含む。)に対する売掛債権が対象。
・物品の売掛債権のみならず、サービスの提供による売掛債権も対象。
・譲渡が禁止されている売掛債権(債権譲渡禁止特約が取引契約に使用されている場合)等は対象外。
借入限度額は1億1100万円。
商品やサービスの提供を行い、実際に売掛債権が発生した段階で、それを引当に借入を申し込みます。
売掛債権が回収不能となり、中小企業が返済をできない場合には借入残高の90%を信用保証協会が中小企業に代わって金融機関に返済します。
経済産業省が中心となり積極的に推進をしていますが、取引先に債権譲渡通知などを行う必要があるなどの理由でまだまだ利用が進んでいるとは言い難い状況です。
売掛債権担保とは「売掛債権」を担保として、融資を受けるもので、売掛債権担保融資、売掛債権担保ローンと呼ばれます。
上記の経済産業省中小企業庁の売掛債権担保融資保証制度を利用して行う銀行の借入も売掛債権担保融資です。
また、貸金業者・ノンバンクが売掛債権担保融資を行っているケースも多くあります。
大手ノンバンク・銀行系のノンバンクが売掛債権担保融資を取り扱っています。
日本では、売掛債権を譲渡するという行為が売掛先(取引先)に知られてしまうと資金繰りや経営状態がひっ迫しているのではないかと思われ、場合によっては今後の取引に影響を与える可能性があります。
また売掛債権担保融資を行っている金融機関・ノンバンクや保証会社は、大手企業で審査も厳しく、なかなか財務内容に不安がある中小企業には敷居が高くなっているのも現状です。
それでも、売掛金が大企業のものであれば。
銀行や金融機関にとっては「確実に売掛債権が支払われるかどうか」が売掛債権担保の評価で重要なため、融資を受ける企業の信用力よりも、支払いをする売掛先の信用力が重要になるのです。
実際にはなかなかそうはいきません。
資金繰りに苦しい中小企業が、信用力の低い中小企業の売掛金を急ぎ資金化したいのが現状です。
このような中小企業がファクタリング会社の「ファクタリング」を利用するケースが多いのです。
ファクタリングは売掛債権を担保とする借入ではなく、売掛債権の譲渡です。
そのまま買い取ってもらい資金化するのがファクタリングです。