介護報酬債権ファクタリングとは、ファクタリング会社が介護報酬債権を買い取り、資金化するサービスです。
通常、介護報酬が支払われるのには約60日かかります。
介護報酬債権ファクタリングを利用すればその時間差がなくなり、すぐに資金を手に入れることができるのです。
すばやく債権を流動化することで、資金繰りが安定し、銀行からの融資を利用する必要もなくなります。
介護業界では介護報酬債権のファクタリングが資金繰り改善の手法として定着し、介護サービス業界を支えている重要な手段として位置づけられきています。
介護サービス事業者がサービスを提供してから介護報酬を受け取るには時間がかかるため、早めに現金を手にして流動性を高めたい場合に最適でしょう。
<介護報酬とは>
介護報酬とは、介護保険制度で、介護サービス事業者や施設が、利用者にサービスを提供した場合、その対価として事業者に支払われる報酬のことを言います。
原則として報酬の1割は利用者の負担で、9割は保険料と公費で賄う介護保険から支払われます。
利用者負担分(原則1割)を除いた残りを介護サービス事業者が国民健康保険団体連合会に請求し、支払いを受けます。
国民健康保険団体連合会が支払った分は保険者である市町村が補填(ほてん)します。
<介護報酬債権とは>
介護報酬債権とは、事業者が保険診療の対価を受け取る権利のことです。
介護事業者は、介護報酬債権で得た資金をもとに事業費や人件費、スタッフの雇用や施設の拡充を行い、利用者に対し介護保険サービスを行うという仕組みになっています。
資金調達に介護報酬債権ファクタリングを用いるメリットは、
*手続きが簡単・余計な手間がかからない
介護報酬債権ファクタリングによる資金調達は、金融機関からの資金を受ける場合と比べて手続きが比較的簡単です。
銀行は財務状況・決算書・資金繰り表・在庫一覧表などたくさんの書類を提出し、経営状況の審査がありますが、介護報酬債権ファクタリングは融資と異なるため、審査の時間、書類作成の手間がかかりません。
迅速に資金調達ができ、煩雑な手続きも必要ないので大変助かります。
銀行やノンバンクの融資は未回収リスクを軽減するため、担保が必要になることも多いでしょう。
加えてさまざまな角度から経営状態を確認する審査を経て契約に至ります。
銀行やノンバンクの担当者も取引先が急いでいるにもかかわらず、当たり前のように時間をかけてきます。
介護報酬債権ファクタリングでは売掛金の安全度をもとに、手間を最小限に抑えて資金調達が可能になるのです。
*担保・保証人がいらない
銀行やノンバンクの借入れの場合は担保や保証人が必要な場合があります。
介護報酬債権ファクタリングのファクタリングの場合は借入を受けているわけではないので、担保や保証人は必要ありません。
*借入ではないため信用情報へ影響が少ない
介護報酬債権ファクタリングで資金を調達した場合は、会計上負債の「借入金」ではなく、「売掛金入金」として計上できます。
売上から間をおかずに現金が手元に入るためキャッシュフローの改善に役立つのはもちろん、借入れで調達した資金とは異なり、返済する必要もありません。
*開業して間もない介護施設など
介護施設を開業して間もない時期は信用力がなく資金繰りが厳しい状況が続きます。
開業前後は経費がかさみ、支払いばかりが続き、一定期間が経たなければ売上の入金にならないため、手元に現金が不足してしまうのです。
介護報酬債権ファクタリングを有効に活用することで、売上が入るまでのキャッシュフローを改善することが可能です。
*資金繰りが追い付かない、黒字倒産の恐れがある方
売上は順調に上がっているにもかかわらず、一時的に資金不足に陥っているという方にも介護報酬債権ファクタリングがおすすめです。
介護報酬は支払いまでに約60日かかります。
資金繰りが追い付かない、自転車操業になるのもわかります。
職員の増員が必要な場合や、広告宣伝に力を入れる場合や現金仕入れが必要な場合、設備投資で高額な現金が必要など、思わぬところで現金が必要になります。
職員スタッフの給料、施設の維持費用や、毎月の人件費や賞与の支給など、短期的に資金繰りを改善する必要があります。
手元の現金不足で黒字倒産をしてしまう前に介護報酬債権ファクタリングが役に立ちます。
*複数施設を同時に開業することになった
高齢化による需要拡大の介護業界では、施設数を増やして運営を始めることもあるでしょう。
新しくサービス開始をしたものの安定稼働をさせるために時間を要します。
資金繰りが改善に向かうまでの一時的な資金調達であれば、手続きが容易な介護報酬債権ファクタリングをおすすめします。
*金融機関からの融資はできれば受けたくない
金融機関からの借入金が増えて困る場合や、審査や書類作成の時間がとれない、もしも否決された場合も考えなければいけない、そのようなリスクを回避できる介護報酬債権ファクタリングは有効です。
より確実で迅速に資金調達をできる方法が介護報酬債権ファクタリングといえます。
介護報酬債権ファクタリングサービスの手数料はファクタリング会社によって異なります。
ファクタリング会社は売掛債権を中身を確認したあとに手数料を決定しますが、概ね数%〜10%程度が手数料の相場となります。
継続的に利用する場合はファクタリング会社数社から手数料の条件提示を受けて行うようにしてください。
ファクタリング会社によっては更新料や審査料も請求される可能性もあるため、更新料や審査料の有無を確認することをおすすめします。
介護業界では、高齢化社会の影響から新規開業や事業拡大などの動きが活発化し、介護事業者間の競争も激化しています。
なかなか先を予想した資金繰りで安定的な経営が難しくもなってきています。
その際に介護報酬債権ファクタリングは、より安全で回収の目途が立ちやすい資産を利用した資金繰り改善で注目を集めています。
介護報酬債権は、国保連からの介護報酬をもとに資金とするため、一般企業の売掛債権よりも回収に信頼度が高く、流動化しやすいのが特徴です。
銀行やノンバンクの融資と比べて審査が容易で、現金を手に入れるまでの時間もかかりません。
資金の流動性を高めたい介護施設事業者は、ぜひ資金繰りに介護報酬債権ファクタリングを活用してみてください。