ファクタリングは、貸金業法のような法律で、業者に対して決まりや規制をしていませんから、ファクタリング会社が様々な条件でファクタリング商品を提供しています。
利用者からすればとてもわかりにくく、取引手法や契約方法にも、法的に問題のあるものもあれば、そうとは言えないグレーなものたくさんあります。詳しくない利用者には判断のしようがないケースが多いのです。
ファクタリングを利用する際に不利な契約をしない、トラブルに巻き込まれないためには、不審に思ったら絶対に契約をしないことです。
ファクタリング契約は、一般の消費者を対象とした契約と違って、事業者間・法人間の契約なため、弱い立場の消費者取引とみなされず、経営のプロがした契約として認識されるので「知らなかった」は通用しないことが多いようです。
法律上もあまり保護の対象とはならないのです。
経営する会社や従業員、取引先を守るためにも、目先の資金繰り左右されず、冷静な判断ができない状況であわてて申し込みをするのではなく、日程に余裕を持ちながら、周りの人や信頼できる人に相談もしながら、複数のファクタリング会社を比較、相見積もりするようにすることが大切です。
契約書類の控えや計算書を一切渡さないファクタリング会社があるとしたら、違法な怪しい会社で間違いないでしょう。
ファクタリング会社が詐欺的会社の場合、会計処理もまともに行っていない場合も考えられます。
表に出せないお金を使って行っている可能性もあるのです。
ヘタに契約書を渡せば、そこから自分たちのやっていることが違法だと認定されることを恐れているのです。
会社として本当に存在しているのかも怪しくなってきます。
契約書の控えや計算書を要求しても、「普段から渡していない」なんてありえないと考えてください。
利用者側も売掛金の譲渡により、資金の入金があり、手数料として取られた部分は、売上債権売却損のような科目で雑損失や営業外費用として会計処理することになります。
その取引の根拠となるわけですからファクタリングの契約書類の控えや計算書は絶対必要です。
ファクタリング会社が契約書や計算書を渡さない場合は、契約内容が違法で詐欺的会社、闇金融の可能性が強いので絶対に契約しないようにしましょう。
電話で問い合わせをして事前審査した結果、手数料は10%と言われたが、契約に行ったら20%と言われた。
最初の審査は仮審査です。20%は本審査の結果です・・・。
契約に新幹線に乗って東京まで行ったのに、今さら予定は変えられない・・・、明日の資金繰りだし・・・。
わざわざ来たのだから仕方がないと契約してしまう。
またいろいろと都合のいいことを言いながら、この売掛債権では、この業種ではと法外な手数料を要求する。
また事務手数料や出張費など当初聞いていない金額を上乗せする。
貸金業法の貸金業の場合は、法律で事前説明や書類の交付義務等規則が細かく設けられ、それに違反すると行政処分の対象になってしまうので、貸金業者は慎重です。
ファクタリングはこのような規制がないので、いい加減で詐欺的な業者が現れてしまいます。
こうした被害を受けないためには、
・事前に手数料や費用を口頭ではなく書面やメールでもらっておく。
・提示された条件が最終条件かどうか。
・契約の時に条件が違う場合は契約しない。
・足元を見られないようにするため、日程にできるだけ余裕をもって申し込む。
・資金を必要とする当日や前日の実行は避ける
・自分だけで抱え込まず、一人だけでなく複数人で対応する。
・経理担当者等も同席させて、冷静な判断ができるようにする。
ファクタリング会社はファクタリング契約実行時に債権譲渡登記を行うケースがあります。
2社間ファクタリングの場合、契約上は売掛金の債権譲渡が行われていても、売掛金の入金は利用会社にされるので、トラブルやリスクを回避するために債権譲渡登記をファクタリング会社は利用しています。
銀行などの金融機関に融資を申し込むと審査時点で債権譲渡登記を確認する場合があります。
ファクタリング会社を利用した取引がある場合は説明を行い、2社間ファクタリングにともなう債権譲渡登記がある場合はその売掛金の中見の説明が必要な場合があります。
この債権譲渡登記は、ファクタリングを受けるたびに債権譲渡登記簿に記載されるので、毎月のようにファクタリングを利用していると、債権譲渡登記簿がファクタリング登記で溢れかえっていきます。
また、そのファクタリング会社が銀行も知っているような、中小企業の利用者が多く、評判も悪くないファクタリング会社であればいいのですが、よく知られていないファクタリング会社だったり、ネットで変な噂を見かけたり、複数のファクタリング会社だったりすると、銀行も大丈夫ですか、資金繰りそんなに苦しいのですかと考えてしまうのは当然です。
そうなるとやはり銀行取引に悪影響が及んでくるので、トラブルのもとになってくるのです。
また、ファクタリング会社の中には、利用者の主要な売掛先との間で将来発生する売掛金債権を登記しているケースがあります。
特定の将来発生する債権を登記するのは一般的には債権担保融資の手法ですから、銀行が確認した時にこのような登記をしていると融資だと受け取られてしまう可能性があり、銀行審査に影響を及ぼす可能性があるとの指摘もあります。
大きなプロジェクトの中でファイナンスが発生する場合、その会社自体が担保のような取引を行うことはあります。
その取引が当初の見込み通り進まなかった場合、会社ごと渡しますので後はお願いしますと・・・。
このようなプロジェクトの場合は大きなスキーム図があって進むものです。
ファクタリングの契約時に株式を譲渡する契約を結ぶというのは、2社間ファクタリング契約で、売掛債権が決済日に決済されなかったときは顧客の会社の株式をファクタリング会社に譲渡するという内容です。
通常のファクタリングの中では、会社の株式譲渡契約を求められることはありません。
これはファクタリング会社が回収不能リスクを回避しようとしていることからきているものと思われます。
売掛金を手数料を差っ引きして買ったファクタリング会社が、売った側にリスクを負担させるという構図は、通常、回収不能リスクも引き受けるファクタリングの債権譲渡契約の原則から外れていて、リコースファクタリングのようにも見えてきます。
民間のファクタリング会社が提供しているファクタリングの多くは償還請求権のない「ノンリコース」型がほとんどです。
現時点でこうした手法について明確な法律上の判断がありませんが、リコースファクタリングだとすればファクタリング会社は貸金業の登録を受けていなければなりません。
貸金業の登録を受けずにリコースファクタリングを取り扱うのはヤミ金業者です。
このような契約を求められたら契約せずに弁護士等の専門家や警察に相談しましょう。
民間のファクタリング会社が提供しているファクタリングの多くは償還請求権のない「ノンリコース」型がほとんどです。
2社間ファクタリングで償還請求権のない「ノンリコース」型のはずが、集金業務の際に送金しないリスクを債務として承認させて強制執行文言を付与した公正証書を作成させたケースはかなり行き過ぎた詐欺的行為っといっていいでしょう。
売掛債権の売買なのに、実態としてはファクタリング会社が買い手のリスクを負っていません。
公正証書を作成してしまうと、万一売掛金の決済が遅れてしまうとすぐに資産の差し押さえができてしまいます。
このような契約を求められたら契約せずに弁護士等の専門家や警察に相談しましょう。