@ 手数料が発生する
契約方法によって異なりますが、2社間ファクタリングで5〜20%程度、3社間ファクタリングで1〜10%程度の手数料がかかります。
借り入れで言えば金利に相当するものですが、最初に買取金額から差し引かれて支払うことになります。
銀行のように、毎月利息を支払うことはありませんが、銀行の金利・利息と比較すると相当高くなります。
例えば、1か月間のファクタリングを10%の手数料で実行すると、金利の年利に換算すると120%になります。
利息制限法があるので銀行の金利が年15%を超えることが無いことを考えると、かなりファクタリングは割高ともいえるでしょう。
ファクタリングの手数料はファクタリング会社の収益となりますが、売掛金(売掛債権)を立て替えるというリスクがあるため、手数料は必ず発生します。
A 3社間ファクタリングの場合は売掛先の承諾が必要
3社間ファクタリングは、売掛先も契約に関わるため、売掛先の承諾を得てからではないと資金調達ができません。
この債権譲渡の承諾は、売掛金の入金を売掛先が直接ファクタリング会社の口座に変更するという内容も含みます。
売掛先としては、こういう取引先から商品を購入してもいいのかと考えてしまうこともあるかもしれません。
第三社ファクタリングの場合は売掛先の承諾は必須となります。
B 売掛金(売掛債権)の範囲内でしか資金調達ができない
ファクタリングは売掛金(売掛債権)を早期に現金化する資金調達方法なので、債権譲渡する売掛金(売掛債権)以上の金額は資金調達することができません。
逆に売掛金(売掛債権)・希望金額よりもファクタリングでの資金調達額が下回ってしまう場合は、銀行やノンバンクと併用して利用することをおすすめします。
C 分割返済ができない
二社間ファクタリングは売掛金の入金は、ファクタリング会社ではなく、利用者に入ります。
銀行とは違い借入ではないので、売掛金(売掛債権)の入金日に一括でファクタリング会社へ送金をする必要があります。
送金を分割ですることはできません。
ファクタリングは分割という概念も、返済という概念もありません。
分割返済となると、ファクタリングではなく「貸金」になってしまいます。
D 債権譲渡登記が必要な場合もあります
ファクタリング利用者が、売掛債権をファクタリング会社に譲渡し資金調達したときは、債権の譲受人(ファクタリング会社)が債務者(売掛先)に対して自分が新しい債権者であることを通知するか、承諾を得なければならない「債務者対抗要件」を留保する代わりに、債権譲渡登記制度を利用することで、債権譲渡の事実を債務者以外の第三者(差押債権者や二重譲渡人、破産管財人など)に対して「第三者対抗要件」を具備するため債権譲渡登記制度を利用する場合があります。
2社間ファクタリングでは、売掛先から回収した資金が、一旦ファクタリング利用者(資金調達者)に入ります。
逆に、3社間ファクタリングでは、売掛先から直接ファクタリング会社に支払われます。
2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社にとっては、売掛先が支払うリスク(倒産リスク)に加えて、資金調達者がファクタリング会社に対して支払わないリスクも負ってしまうことになります。
ファクタリング会社からすれば、資金調達者が「持ち逃げ」してしまうリスク、お金に困って、使いこんでしまい偽装倒産する可能性、売掛債権を2重に譲渡してしまう可能性もあります。
このため2社間ファクタリングの方がリスクが高いため、ファクタリング手数料が高くなるのです。
特に買取金額が高額になる場合、初めての取引の場合やファクタリング利用者の信用リスクが高い場合、売掛先の信用リスクが高い場合などは念には念を入れて、債権譲渡登記を行います。
債権譲渡の登記は、債権譲渡登記簿になります。
債権譲渡登記簿は会社の登記(商業登記)とは別ですが、第三者が閲覧することは可能です。
債権譲渡登記簿には、登記の年月日や譲受人(ファクタリング会社や金融機関名)の名前と住所が載ります。
この会社が、どこファクタリング会社、金融機関から債権譲渡で資金調達をしているかはわかります。
債権譲渡した売掛先は見れません。
取引先会社が登記情報を調査する可能性は低いですが、帝国データバンクなどの信用調査会社は調べますので、完全秘密とは言えなくなります。
また債権譲渡登記には数万円の費用も発生します。
E 二社間ファクタリングのデメリット
二社間ファクタリングは、売掛先の承諾を取る三社間ファクタリングよりも手数料が高めに設定されています。
また売掛先からの売掛金の入金をファクタリング会社に送金する手続きも発生します。
ファクタリング会社にとって二社間ファクタリングはリスクが高いので審査は厳しくなります。
通常二社間ファクタリングは法人が対象で個人事業主は利用できません。
二社間ファクタリングは、ファクタリング大手の銀行系ファクタリング会社は取り扱っていません。
中小のファクタリング会社が中心です。