ファクタリングは売掛債権を扱う取引であることから、債権管理回収会社(サービサー)と混同する場合がありますが、ファクタリングは一般的な債権回収とは全く異なるサービスです。
銀行などの金融機関の借入を受けられない場合などに活用されているファクタリングは、売掛債権を譲渡することで現金を調達する資金調達方法です。
一方、債権回収とは、支払い期限や返済期限を過ぎても弁済されていない売掛金や貸付金などの債権がある場合に、債権者が債務者に対して取り立てを行うことをいいます。
債権回収は、本来であれば債権者が行いますが、弁護士または専門会社に委託することもできます。
サービサー(債権回収会社)とは、債権管理回収を専門に行う業者のことをいいます。
以前は、弁護士以外が債権管理回収業務を行うことは弁護士法により禁じられていましたが、1998年に「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」という法律が定められ、サービサーが債権管理回収業務を行うことが認められました。
サービサーは、法務大臣が許可した債権回収会社です。
許可を受けるためには条件が定められており、資本金5億円以上の株式会社であること、暴力団などとのかかわりがないこと、取締役として1名以上の弁護士を置いていることなどを満たしている必要があります。
サービサーが取り扱うことのできる債権は、特定金銭債権といって、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)に定められています。
取り扱える主な債権として、
1金融機関等が有する貸付債権
2リース・クレジット債権
3資産の流動化に関する金銭債権
4ファクタリング業者が有する金銭債権
5法的倒産手続中の者が有する金銭債権
6保証契約に基づく債権
7その他政令で定める債権 などが挙げられます。
ファクタリングは債権回収に含まれるとされていますが、ファクタリング会社とサービサー(債権回収会社)は根本的に異なる事業形態の会社です。
ファクタリング会社は、売掛債権(支払期日から遅延していないもの)を活用した資金調達サービスを提供している会社であり、不良債権は扱っていません。
一方サービサーは、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)で定められた特定金銭債権を扱い、いわゆる不良債権の取り立てを行っている会社です。
ファクタリングもサービサーも債権を取り扱っていますが、性質は全く異なります。
売掛金を早めに現金化したい場合はファクタリング会社に、不良債権化した特定金銭債権を現金化したいときはサービサーに相談しましょう。